サマースクール 2005年度の報告

チョウのハネの形づくりラボのサマースクール
「細胞の変化を見ながら、チョウのハネのでき方を調べてみよう!」



当ラボでは、チョウのハネがサナギの時期にどのような変化を起こしてできあがるかを、細胞の形の変化に着目しながら調べてもらいました。参加してくれたのは、2人の高校生です(3年生男子、1年生女子)。2日間の実験ですので、もちろんそんなに多くの工程はこなせません。しかし、限られた時間の中でも、できるだけ「研究の流れ」をひととおり体験してもらいたいと思って計画を立てました。また、今回はサマースクールで初めて電子顕微鏡(走査型)を使いました。参加者が多いと無理ですが、2名なら大丈夫だろうと思ったからです。

1日目の午後、目的・方法・基礎的な事実の簡単な説明などを行い、実験開始です。まずあらかじめ「固定処理」しておいたモンシロチョウのサナギから、触角や足などの余分な部分を取り除いてハネだけを取り出し、さらにこのハネの「殻」の中の「上皮組織」を取り出します。そして「状態」に応じて、観察の妨げになると思われる部位を除去します。いずれの作業も顕微鏡をのぞきながら、先を細く研いだピンセットや、小さなハサミを使って行います。ピンセットも2種類を使い分けます。かなり細かい作業なのですが、2人ともかなりの集中力をもって取り組んでくれました。

ここまで準備できたハネを、「型くずれ」しないように「凍結乾燥」します。乾燥したハネを、電子顕微鏡用の「試料台」に接着したら1日目は終了です。しかし、「凍結乾燥」に手間取り、遅くまで居残ってもらうことになってしまったのは想定外でした。しかし、うまくいかない原因として何が考えられるか、なども話し合いました。

2日目はまず、試料台に接着したハネに金を薄くコートします。これで、観察の準備は完了です。試料台を電子顕微鏡にセットして画面を見ながら、観察のポイントを話し合い、その後2人それぞれに自分なりの目標を定めて写真を撮ってもらいました。どんな細胞が生まれ、形がどのように変化していくか、等々。最後は、結果をまとめて発表の準備をする作業です。演題名をつけることや、データの整理など、私が提案を行いつつも、できるだけ2人の意向に沿って進むよう心がけました。「まとめ」にとって不足していることに気づいた写真も、「追加撮影」してもらいました。そうこうしているうちに、予想外に時間を取られ、発表会場へギリギリに飛び込みました。

最後はあわただしい限りでしたが、参加者の2人が2日間を通してたいへんまじめに取り組んでくれたことは、私にとって何より嬉しいことでした。また、2人の取り組み方には、なかなかの「センス」を感じることもありました。若い方たちでしたので、作業の合間などに、(研究の話の他に)今後の役に立ててもらえそうな話など交えてみたつもりです。ここでの経験が、これから何かの形で生きてくれたらと願います。

吉田昭広(研究員)

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