研究員レクチャー

JT生命誌研究館の研究員が月に1回づつ、現在おこなっている研究について話します。
【入場無料・予約不要】

研究員レクチャー2016年度

第5回

日時
2016年6月18日(土)14:00〜15:30
場所
JT生命誌研究館 1階カンファレンスルーム(入場無料、参加自由)
講師
和智 仲是 研究員(DNAから進化を探るラボ)
タイトル
ゲノムから見たイチジクコバチがイチジクに適応するための鍵
内容

密接に関係した植物と昆虫の共生系の中でもイチジクとコバチは最も種多様性に富んでいることが知られています。イチジクとコバチには新しい種が生まれやすい理由があるのでしょうか。まさに新しい種がどちらかで分化しつつあるイチジクとコバチを調べることで、この「新しい種が生まれやすい理由」を探ろうとしています。
 見た目がよく似ている一方で利用するイチジクが異なるイチジクコバチがいます。そのコバチのゲノムを比較することで、イチジクとの共生関係を築くのに欠かせないゲノム領域を明らかにしようとしてきました。そのようなゲノム領域が、いくつあって、どこにあるのかを明らかにすることが出来れば、イチジクコバチの「新しい種が生まれやすい理由」を明らかにできるのではないかと考えたからです。まだ答えにはたどりついていませんが、この三年間で得られた研究成果と、そこからわかってきたことについてお話します。

第4回

日時
2016年5月21日(土)14:00〜15:30
場所
JT生命誌研究館 1階カンファレンスルームにて
講師
尾崎 克久、吉澤 靖貴 研究員(チョウが食草を見分けるしくみを探るラボ)
タイトル
アゲハチョウの食草選択を考える
内容

チョウやガの仲間のほとんどが植食性で、多くは幼虫が決まった植物だけを食べます。アゲハチョウの幼虫も同様に、決まった植物だけを餌として利用します。しかし、卵から孵ったばかりの幼虫は移動能力が低いので、広い環境中から自力で餌を探し出すのは困難です。そこで、飛び回ることができるメス成虫が、正確に植物の種類を見分けて幼虫が食べられる植物に卵を産みつけます。幼虫は母親が産みつけた植物を無条件に食べるわけではなく、幼虫自身も食べられる植物を選択しています。それでは、どのようにして植物の種類を見分けているのでしょうか?アゲハチョウの成虫・幼虫がそれぞれの方法で植物を見分ける仕組みについて、最新の研究を紹介します。

第3回

日時
2016年4月16日(土)14:00〜15:30
場所
JT生命誌研究館 1階カンファレンスルームにて
講師
蘇 智慧 研究員(DNAから進化を探るラボ)
タイトル
節足動物の進化を考える〜多足類と昆虫類のゲノム系統学〜
内容

 節足動物は鋏角亜門(カブトガニ・クモ類)、多足亜門(ムカデ・ヤスデ類)、甲殻亜門(エビ・ミジンコ類)と六脚亜門(広義の昆虫類)を含み、最大の種数を誇る動物門です。
 近年、次世代シーケンサーなどDNA配列の決定技術の進歩により、大量のDNA配列データが比較的容易に入手できるようになりました。そのため、ゲノム規模のDNA配列データを用いて、生物の系統関係を解明するゲノム系統学的研究が広がっています。今回は、多足類と昆虫類を中心に、次世代シーケンサーによる大量配列データの入手と系統解析の手法、そしてゲノム系統学の研究から何が分かったかを紹介します。

第2回

日時
2016年3月19日(土)14:00〜15:30
場所
JT生命誌研究館 3階セミナールームにて
講師
小田 広樹/秋山-小田康子/岩崎 佐和 研究員(ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ)
タイトル
ゲノム配列を得て加速する進化研究〜ゲノムの中に左右相称動物の共通祖先を求めて〜
内容

 過去と現在をつなぐ物質として、ゲノムDNAは生物進化の研究に重要な存在です。ゲノムには塩基配列 (A, T, G, Cで構成される配列) という形で、生物がからだを作り、機能するために必要な情報が保持されており、その情報の変化が生物の進化をもたらすと考えられています。近年、塩基配列を決定する技術の革新によって、様々な生物種のゲノム塩基配列が次から次へと決定されており、公共のデータベースで利用可能となっています。私たちの研究室が開拓したモデル生物、オオヒメグモも例外ではありません。生物進化を研究するための基盤は凄まじい勢いで強化されています。私たちの研究室はこの勢いを味方につけて研究を発展させたいと考えています。本レクチャーでは、ゲノム配列をどのように活用して、新しい知識の発見に結びつけているのかについてお話しします。

  1. 1)「ゲノム配列を活用して解き明かすカドヘリンの進化」小田広樹
  2. 2)「ゲノムワイドな遺伝子探索によるパターン形成の解析」秋山-小田康子
  3. 3)「ゲノムマップを片手にクモの体軸を決める遺伝子を探しに行く。」岩﨑佐和

※同日開催! 1日オープン・ラボ(ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ)

第1回

日時
2016年1月16日(土)第一部13:00〜/第二部15:00〜
場所
JT生命誌研究館 1階カンファレンスルームにて
講師
橋本 主税 研究員(カエルとイモリのかたち作りを探るラボ)
タイトル
脊椎動物における形づくりの普遍性と多様性
内容

第一部「両生類の原腸形成」
13:00〜

前世紀初頭より教科書で教えられてきた、両生類の原腸形成モデルが実際の組織運動の仕組みとは全く違うことが我々の研究によって明らかとなりました。まず、両生類の原腸形成モデルは本当はどのような仕組みで動いているのかについて解説します。高等学校時代の生物の教科書を引っ張りだして予習をされてからレクチャー臨んでいただけると、ただ聴講するだけでは味わえない面白さがあるかもしれませんね。

第二部「脊索動物の原腸形成〜普遍モデルの構築への挑戦」
15:00〜
生きものの面白さには、多様であるにもかかわらず普遍であることがあります。だから普遍とは、多様の中から互いの違いを徹底的に除いた後に残るものといえます。脊椎動物の仲間である魚・鳥そして哺乳類の原腸形成運動は互いにかなり違って見えますが、互いの違いを除去したら新しい両生類モデルにかなり似た仕組みがぼんやりと見えてきます。ジグソーパズルのピースを当てはめるように、普遍モデルを構築していく作業で脳みそに汗をかいてみませんか?

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