研究員レクチャー
研究員レクチャー
JT生命誌研究館の研究員が月に1回づつ、現在おこなっている研究について話します。
【入場無料・予約不要】

研究員レクチャー2010年度
  第1回
 日  時 : 2010年4月17日(土)14:00〜15:30
 場  所 : JT生命誌研究館 1階カンファレンスルームにて
 講  師 : 蘇 智慧 研究員
(DNAから進化を探るラボ)GO!
 タイトル : オサムシの起源と進化を考える
 内  容 :  オサムシは「歩く宝石」と言われるほど美麗な種が多い甲虫の仲間である。
しかし、オサムシと共通祖先を持っているゴミムシのグループは比較的に嫌われるものが多い。オサムシは大きく5つのグループに分かれ、それらはそれぞれセダカオサムシ、カタビロオサムシ、オサムシ、チリオサムシとオーストラリアオサムシである。これらのオサムシグループがどこで誕生し、どういうルートで分布域を拡大したのか? 分子系統の結果に基づいて考えてみたい。
  第2回
 日  時 : 2010年6月12日(土) 14:00〜15:30
 場  所 : JT生命誌研究館 1階カンファレンスルームにて
 講  師 : 尾崎克久 研究員
(チョウが食草を見分けるしくみを探るラボ)GO!
 タイトル : 昆虫と植物を結ぶ絆は何か 〜食草選択の仕組みを探る〜
 内  容 :  アゲハチョウの仲間は、幼虫が特定の植物しか食べないという性質が有るので、母親であるメス成虫が植物の種類を正確に見分けて産卵場所として選択することが次世代の生存を左右します。メス成虫は、産卵の直前に植物を前脚でたたく「ドラミング」と呼ばれる行動により植物種を識別しますが、識別の手がかりは植物に含まれている化合物の組み合わせです。前脚で働いている化合物の受容に関わる遺伝子群を見付けることができれば、昆虫と植物の関わり合いについてより深く理解することが出来るだろうと考えています。
 これまでの研究で見つかった、産卵刺激物質の受容に関わる遺伝子群の解析によって昆虫と植物を結びつけている仕組みについて明らかに出来たことをお話しします。
  第3回
 日  時 : 2010年7月17日(土) 14:00〜15:30
 場  所 : JT生命誌研究館 1階カンファレンスルームにて
 講  師 : 小田広樹 研究員
(ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ)GO!
 タイトル : クモで見つかった新しいタイプの体節形成
 内  容 :  ハエとクモは同じ節足動物であり、からだの基本的構成は非常によく似ています。直感的には、似たような形態であれば、同じような仕組みで形成されると思いがちです。ところが、ハエとクモの間には想像以上に大きな仕組みの違いがあることが分かってきました。今回のレクチャーでは、胚の中でからだの繰り返し構造(体節とよぶ)が生み出される仕組みに注目してハエとクモの違いを紹介します。
 ショウジョウバエでは、胚の中で核だけが分裂して細胞質がすべてつながった多核性胞胚という特殊な状態で体節形成の遺伝子のネットワークが働きます。それに対して、私たちのオオヒメグモを用いた研究では、細胞間の話し合いを介した遺伝子ネットワークによる、新しいタイプの体節形成が見つかりました。割り箸を割くように体節の数が増えます。ショウジョウバエだけなく、他の動物でも見つかっていない体節形成の様式です。この体節形成の仕組みについて詳しくお話しします。
  第4回
 日  時 : 2010年9月11日(土) 14:00〜15:30
 場  所 : JT生命誌研究館 1階カンファレンスルームにて
 講  師 : 秋山-小田康子 研究員
(ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ)GO!
 タイトル : 動物のからだの軸はどのようにできるのか
 内  容 :  私たち脊椎動物のように多くの動物は頭-尾、背-腹の直交する2つの軸をもちます。この2つの軸をもつからだは動物進化の過程でも、個体発生の過程でも、軸を1つしかもたない放射相称の状態から生じたと考えられています。しかし、どのようにして2軸をもつ状態になるのかは、個体発生においても、ほとんどの動物で明らかになっていません。私たちはこの問題をオオヒメグモを用いて研究しています。ここ数年の研究でクモ胚で2つの軸の形成に関わる遺伝子を見つけ、はたらきを解析しました。
 今回のレクチャーでは、この分野の動向と私たちのオオヒメグモを用いた発生研究の進展状況をお話します。

クモ胚の発生:背側を誘導する細胞(赤)が、将来の尾の領域の拡大(青:中心)に合わせて非対称な位置に移動する。これが直交する2軸の形成につながる。
  第5回
 日  時 : 2010年11月13日(土) 14:00〜15:30
 場  所 : JT生命誌研究館 1階カンファレンスルームにて
 講  師 : 龍田勝輔 研究員
(チョウが食草を見分けるしくみを探るラボ)GO!
 タイトル : 電気生理学的アプローチによるナミアゲハ産卵メカニズムの解明
 内  容 :  ナミアゲハはミカン科植物しか食べない狭食性昆虫で、寄主植物を正確に判別する必要があります。アゲハは雌親がミカン科植物を選んで産卵することで寄主選択を行っています。この寄主選択には10種類のミカン葉に含まれる味成分が必要ですが、実際にアゲハがこれらのミカン葉成分を味として受容(認識)できているかは解っていませんでした。
 私たちは電気生理学という手法を用いて、アゲハが産卵に必要なミカン葉成分を受容しているかを調べています。今回のレクチャーでは今までの結果を紹介します。

ナミアゲハの産卵
前脚の先端にある「ふ節」によってミカン葉成分を味として受容する。

電気生理実験の様子
ふ節に生える感覚毛に刺激電極をあてて、化合物への応答を調べる。
  第6回
 日  時 : 2010年12月18日(土) 14:00〜15:30
 場  所 : JT生命誌研究館 1階カンファレンスルームにて
 講  師 : 橋本主税 研究員
(カエルとイモリのかたち作りを探るラボ)GO!
 タイトル : ゲノムのかたち
 内  容 : ゲノムと言われて何を想像されるでしょうか?
DNAでしょうか?それとも遺伝子でしょうか?
ヒトゲノムと言えばヒトの遺伝子を指すのでしょうか?
では、ヒトの遺伝子って何なのでしょう?
ヒトという種を決定する遺伝子があるのでしょうか?

実は、研究者によってゲノムの解釈は異なります。
今回のレクチャーでは、ゲノムをどう考えたら良いのかについて、「かたちの哲学」の立場から検証してみます。
その上で何か答えらしきものが見いだせればしめたものです。
どうか一緒に考えてみましょう。
  第7回
 日  時 : 2011年1月15日(土) 14:00〜15:30
 場  所 : JT生命誌研究館 1階カンファレンスルームにて
 講  師 : 岡本朋子 研究員
(DNAから進化を探るラボ)GO!
 タイトル : 花の不思議 植物が昆虫を花へ誘う戦略にせまる
 内  容 :

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 自ら動くことができない植物は、動物を誘い寄せることで花粉を運んでもらっています。 花の形や匂いは、花が動物を誘い、繁殖を成功させるために進化させた広告といえます。 ではなぜ植物は種によって多様な花を咲かせるのでしょうか?
 本講演では様々な陸上被子植物を例に、送粉昆虫を花へ呼び寄せる巧みな戦略を紹介し、植物と昆虫の共進化と花の多様性について考えます。

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