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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【動詞で考える、名詞で連想する。】

2012年6月15日

村田英克

自然、人工、建築、ゲノム、染色体、脳、認知、可塑性、人生、ホルモン、生殖。ここにあげた名詞は、最新の季刊生命誌73号の4つの記事が持つキーワードです。眺めていると、それぞれの言葉の意味が想起されるとともに、背後にある文脈や関連する言葉が連想され、それぞれの記事がどんな内容か、ここから少し想像がふくらみませんか。

最新号で、キーワードにあらわされる具体を点として、点と点をつないで考えを巡らせる、今年の動詞は、「変わる」です。何がどう変わるのか、あるいは、変えるのか。生命現象(発生、進化、生態系)や、生きもの(細胞、個体、種など)が変わる面白さを捉える研究や、研究の展開が変わる様子、生命現象がもつ、変わる/変わらないに学びながら、私たちがどう生きるかを考える対談などを、お伝えしていきます。

最新号の発行にあわせて、「生命誌アーカイブを巡る」というコーナーを始めます。書庫を巡るようにこれまでの記事を楽しんでもらう、その手がかりとして、この日記の冒頭であげたようなキーワードを、これまでの記事(2002年度以降)につけ直しました。スタッフ全員でこれまでの記事を読み直して、言葉を拾い、さらに全体を見渡しながら何度か言葉を調整しました。この言葉のリストをプログラムが扱います。ホームページを訪れた方、それぞれに考えたいテーマから連想をはたらかせてキーワードを選びながら進んでいくと、関連する記事が読めるしくみです。言葉のつながりから、あちらへこちらへと書庫巡りを楽しんで下さい。

生命誌アーカイブも年間を通じて変わっていく予定です。変わらないものから変わるを見出すプロジェクトですから。そのひとつとして、サイエンティスト・ライブラリー70篇の蓄積から、改めて研究の流れを見出す表現に挑戦しようと考えています。これは、8月のサマースクールの課題として、みなさんと一緒に取り組みたいと思っています。関心のある方、是非、ご参加下さい。
生命誌ジャーナル最新号73号
生命誌アーカイブを巡る
BRHサマースクール2012参加者募集

[ 村田英克 ]

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