1. トップ
  2. 語り合う
  3. 【8月15日のしくぷ日記】

表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

バックナンバー

【8月15日のしくぷ日記】

村田英克 「遊ぶ」をテーマにした2回目、BRHカード70号の入稿を先日済ませました。印刷中です。皆さんのお手元に届くのは9月8日以降、今号は編集を新しいスタッフでがんばりました。慣れない中、研究を魅力的に伝えるための試行錯誤が入稿直前まで続きました(ほんとは色校でもちょっとありました)。ここから先はカードの読者の皆さんがどう読まれるか。今私たちは、Webサイトの生命誌ジャーナルに掲載する本文記事を制作している真最中です。公開の後、カードとジャーナルあわせてのご意見をいろいろお聞かせ下さい。
 4月から、月2回Webサイトの更新のために四季デザインの田中さんにBRHで仕事をしてもらっています(今も隣の机で表現スタッフ日記の上がりを待ち構えています)。現場で試行錯誤の時間を共有することで、BRHサイトのこだわっている点やクセを感覚的に掴んでくれたように思っています。その感覚を、年内完成を目指して一緒に取り組んでいるBRHサイトのリニューアルに活かして欲しいと思います。生命誌を考える開かれた場づくりです。
 8月も半ばになりました。4月に新人だった人も自信がついて、次の一歩を踏み出す時期です。SICPでは、Webサイトや季刊生命誌を通じて研究や研究者の考えを生命誌として伝えながら、そのうえで新たな企画に挑戦します。今年は、小さな展示ですが生命誌の大きなテーマ「愛づる」を改めて取り上げる企画をスタッフの浦川さんが進めています。平安時代の物語『虫愛づる姫』を展開の軸に据え、生物学の知見から生きもののつながりの中にある人間や社会を見つめなおす展示です。またゲノムDNAから生きものの歴史物語を読み解き、改めてその全体像を示す生命誌の視点から、さまざまな研究データにアクセスするデータベースを平川さんが構想中です。平川さんは、今年のBRHカードのまとめ役を、前任の板橋さんから引き継いだうえでのことなのでなかなか大変ですが、それぞれ生命誌の新しい展開として期待しています。
 「編む」をテーマにした生命誌年刊号は、『めぐる』で新しい形に本を仕上げてくれた今村さんが編集を引き受けてくれ、ようやく進みはじめました。今、改めて「編む」という視点から生命誌を考える本です。デザイン・造本も昨年に引き続き鷺草デザインの上野さん、尾崎さんです。完成までもう少しお待ち下さい。
 東北で地震が発生してから世の中は変わってしまいました。日々接する報道のあり方も、スーパーでお魚や野菜を手にする時にも、日常の小さな出来事から、今私たちが依存している社会のしくみに対する疑問が生じます。今やるべきことは何かと、生命誌を表現するという活動の中でも考え続けていきたいと思います。

 [ 村田英克 ]

表現スタッフ日記最新号へ