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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【編集の3ヶ月半】

遠山真理 ようやく空気が秋めいてきましたね。9月に入って、あれだけうるさく鳴いていたクマゼミもパッタリと見かけなくなったのにも関わらず、大阪は毎日のように猛暑日だったので、今日(9/10)の様な日が来ることを祈るように願っていました。
 早いもので生命誌研究館に復帰して3ヶ月半です。この間、主に季刊生命誌66号のリサーチ編集を通して、新人として仕事の進め方をアップデートしていました。初めは、取材の申し込みの手紙ひとつを書くのにも戸惑ったものです。休業していた間のブランクは大きいなと実感しながらも、SICPのみんなに助けられて、どうにか今月下旬には季刊生命誌66号を発行します。
 今回私が取り組んだリサーチ記事のひとつは、DNAからRNA、そしてタンパク質へと情報が伝わるという、生きものの基本原則のセントラルドグマからは、少しはずれて、何故か面倒なことをしているように見える工夫をしている陸上植物の話です。目に見えない分子の世界の話である上に、全ての役者が分かっているわけではない現象をどうやって表現するのか、迷っていたこともあり、SICPスタッフから意見をもらえるような場をつくることを意識して増やしました。レイアウトも何度もたたき台をつくっては、こわしてもらう(建設的な意見をもらう)ことで、最初とは似てもにつかないものができあがったと思います。家で仕事をしているときは、ほとんどが自問自答だったので、こうやって自分一人では考えつかないようなアイディアが形になっていくことは感慨深いものがありました。どんなレイアウトになったかは、BRHカード66号がお手元に届くまでもう少しお待ち下さいね。
 それから、今回から新しいウェブデザイナーさんと一緒にお仕事することになりました。実は先日、初めての打ち合わせが終わったばかりで、66号の記事の仕上がりの確認はまだなのですが、私の方で用意した図版などをどのように料理してもらえるのか今から楽しみです。
 話は前後しますが、66号が公開される前に、私たちは67号発行に向けて動いています。8月にはサイエンティストライブラリーとリサーチの取材に行ってきました。偶然なのですが、共に生命の起源とその後の展開に興味をもたれている研究者の方です。直接お話を伺うというのは本当に贅沢なことで、研究の内容はもちろんですが、研究に対する姿勢や思いもひしひしと伝わってきます。このライブ感をどうにか読者の方々のところまでお届けしたいと、現在編集に励んでいるところです。67号の発行は12月とまだまだ先の話ですが、どうぞお楽しみに。

 [ 遠山真理 ]

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