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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【乗り切るために】

今村朋子  お盆が過ぎ、セミの声もだいぶ静かになってきました。猛暑もひと段落した気がします。関西にきて5年目ですが、こちらの方が東よりも季節の移り変わりがはっきりとしているせいか、時間が経つのがあっという間です。
 前回の村田さんの日記でもちらっと触れていましたが、昨年度末から今年度の立ち上げは3人で乗り切りました。余計なことを考えている余裕がなかったせいか、いつも以上にやりたい企画を押し通した気がします。詳しくは前号の日記をご覧下さい。本当に仕事をしていると、無駄なことを考えている余裕がない、というのはよいことでもありますね。
 しかし、実際に人がいないとなると、困るのが担当です。そこで、季刊生命誌 65号では中村館長にサイエンティスト・ライブラリーの記事の執筆をお願いしました(気がつかれた方いらっしゃいましたか?)。取材調整、写真撮影などの段取り、図版は私が担当し、本文は中村先生。初めての試みです。取材に同行し、いざインタビューをはじめると、同時代に生きていた中村先生だからこそ引き出せる相手の方の生き生きとした語りにひきこまれました。同じ方へのインタビューでも、インタビュアーによってまったく内容が変わるというのは頭ではわかっていても、現場にいるとただ圧巻です。そして、そこからメッセージを引き出し、編集し、まとめあげたサイエンティスト・ライブラリーはとても面白い物語ですので、ぜひご一読下さい。
 というわけで、65号は怒濤の状況で、中村先生もスタメンで巻き込みながらの発行でしたが、現在鋭意制作中の66号でも引き続き中村先生にサイエンティスト・ライブラリーの執筆をお願いしています。発行は9月中旬予定ですので、お楽しみに。最後に、宣伝をひとつ。現在、展示ホールの奥で、Ω食草園の写真展を行っています(10月30日まで)。写真は、展示ガイドの傍ら食草園のお世話を7年続けてこられた藤田さんの撮影によるものです。手作りの小さな展示ですが、時間をかけてじっくり生きものに向かい合うことで見えてきた生きものたちの様子を見に来て下さると嬉しいです。

 [ 今村朋子 ]

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