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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【植物の進化を観てみよう】

板橋涼子
 今月の研究館は催し続き。GWは大阪大学のいちょう祭(今年は興味を示してくれる高校生が多くてよかったです)、先週は高槻現代劇場での朗読ミュージカル、そして今週は実験室見学ツアーです。催しの段取りを組む村田さん、今村さんと遠山さんは、今年度第一弾のBRHカード進行と次号の著者選びもぬかりなく、新チーフとなった山岸さんは、自分の仕事を抱えつつ全体を見守っています。
 私は、今週末からスタートする特別展示「顕微鏡で見る植物の進化」を超特急で進めています。朗読ミュージカル「いのち愛づる姫-ものみな一つの細胞から-」がきっかけとなり、この展示の企画が始まりました。「いのち愛づる姫」は平安時代のお姫さま。江戸っ子のバクテリアと一緒に38億年の生きものの進化の旅に出かけます。この物語に登場する生きものを展示し、進化を確かめられればと考えたのです。
 とはいえ、38億年の進化を語る生きものを一通り揃えるのは結構大変。そこで植物の進化に注目しました。陸上植物で一番起源が古いコケのゲノムが解読されるなど、植物の話題が最近おもしろい。動物と違って飼育も簡単です。植物のご先祖さまを遡ると、水の中に暮らす藻類にいきつきます。藻類を中心とした生きものを顕微鏡で観察して、植物の進化に重ねて考える展示にしました。

クリックすると動画が始まります。
 この展示には、ミュージカルに登場するミドリムシやボルボックスの他に、クラミドモナス、シャジクモ、ミカヅキモなど植物の進化を語る仲間がたくさん登場します。顕微鏡をのぞいて動く姿を見てください。ボルボックスの調子が良ければ(生きものなので思い通りにいかないのです)クルクル回っている姿を見ることができますよ! もちろん、顕微鏡観察だけではなく、陸上植物への進化の道のりも実感できる工夫もしてあります。半分手作りのミニ展示ですので、少しずつ工夫しながら展示していきたいと思います。
 今週末、年度初回の実験室見学ツアーに合わせて始まります。ようやく今日、展示の役者たち(生きもの)が到着したので、大切に飼育して土曜日に臨みたいと思います(サボテンを枯らしてしまった経験があるので、植物といえども私にとっては油断できません)。


※動画を見るにはQuickTime(無償)が必要です。最新版はこちらからダウンロードしてください。

 [ 板橋涼子 ]

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