表現スタッフ日記
展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。
バックナンバー
【ヤスデってこんな生きもの】
2001年11月15日
 世の中にはいろいろな生きものがいるものですね。つくづくそう感じました。タイに旅行した友人から写真を見せられ、「これ何?」ときかれたのですが、そこには私も見たことがない奇妙な生きものが写っていました。外見から、節足動物でムカデの仲間だろうというところまではすぐに見当がつきましたが、ミミズのような体に細かな脚が数え切れないほど生えているこんな生きものは見たことがありませんでした。そこで、写真を借りて早速図鑑で調べたところ、ヤスデらしいということがわかりました。このとき、「ほー、ヤスデって聞いたことはあったけど、こんな生きものだったのか。」と初めて知った次第です。世界に約8000種、日本にも250種ほどいるらしいのですが、見たことがなかったのです。生命誌研究館にいるのにそんなことも知らなかったなんて・・・、とちょっと情けない気もしましたが、ここでムカデとヤスデの違いを押さえておこうと詳しく調べてみました。
 すると、ムカデは節足動物門・唇脚綱に属し、種によって脚が15対から177対のものまであり、かなり多様だとわかりました。一方のヤスデは、節足動物門・倍脚綱に属していて、やはり脚が17対から100対以上と多様でした。では、一体どこが違うのかというと、ムカデは、各胴節に一対ずつ脚があるのに対し、ヤスデは頭に続く前部の三胴節には各一対、第四胴節以降は「二対」ずつの脚が生えているということでした。倍脚綱という分類名は、「二対」の脚に由来しているようです。ムカデもヤスデも毒をもっているのですが、ムカデは咬みつき、ヤスデは体内から青酸などの毒を放出するということもわかりました。
 それにしても、世界に8000種もいるとなると、ヤスデのグループはかなり多様なようです。脚の数にこれだけバラエティーがあるのですから、脚を増やしたり減らしたりして、結構簡単に姿を変えられるのでしょう。節足動物門・昆虫綱に属する昆虫が、脚の数を3対に限定しているのと随分違います。ヤスデは昆虫とは違い、同じような体節の繰り返しパターンでできているので、体の形を決めている調節遺伝子の変異で体節の数が少々変化しても、生存には影響ないのかもしれません。
 それはともかく、ホームページで調べたところでは、写真のヤスデは、アジアンジャイアント ブラック&イエロー オオヤスデというらしく、ペットとして飼っている方もおられるようでした。
[鳥居信夫]
戻る 次へ
表現スタッフ日記最新号へ
Javascriptをオフにしている方はブラウザの「閉じる」ボタンでウインドウを閉じてください。