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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【サマースクール―実際に手を動かす 】

2001年7月15日

 今年のサマースクール(8/23.24)のテーマは去年に続いて、「サイエンスコミュニケーション」。去年は私達の行っていることを参加者に紹介し、ディスカッションした。今年は具体的に展示を作ることにし、参加者を募った。するとこれが意外に少ない!やはり、応募する人も「言うは易し、行うは難し」を知っていると言うことなのだろうか。そんな中、応募してきてくれた方達との共同作業は今からとても楽しみだ。
 これは私の勝手な意見だが、サイエンスコミュニケーション論のようなものは、やったことがない人と議論しても注文を言われっぱなしで不利(笑)!私は概念嫌いで具体好きなため、ついついじゃあ、あなたがやってみなさいよぉー、と思ってしまう。だから、今年の企画である。やってみてわかることというのは実に多い。
今、ビデオ制作のため、紙粘土とモールでせっせと、DNAの複製のメカニズムを作ってみているが、これが発見の連続。最初、知識がほとんどなかったが、作ろうという心があれば、自然に知識を吸収でき、さらなる疑問がわく。そしてわからないところを論文で調べると、研究者はちゃんとそこを調べてくれている。そして、今は研究者の人達もそこはわからないんですよ、と答えるところまで、疑問がレベルアップしている。うーん、この状況って何?と自分に問いかける毎日。
私の最近のテーマ「サイエンスコミュニケーションの新しい形」のヒントが、この疑問にある気がしてならない。ここでも、手を動かして得たこの私の気持ちを信じるわけで、なんか論理的じゃないんだよなぁ、と自分でも格好悪い。だけど、きっとそこに何かがあるはずなのである、そうでなければ困る、というかあってほしい。新しい形のサイエンスコミュニケーションが発見できたら、それを具多的に皆様にお届けして行きたいと願って、毎日モールと格闘する日々である。
[工藤光子]

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