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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【奇妙な(?)衝撃】

1999年7月15日

 先日(7月10日)、「生命の樹」展トークがありました。法政大学の田中優子先生と中村桂子副館長のトークで、布に描かれた樹の意味や、生物学における生命の樹が話題になりました。残念ながら、私は、ビデオ係兼カメラ係としてうろうろしていたので、じっくり聴くことができませんでしたが、スライドを見て面白い発想をする人もいるものだなと感心してしまいました。一番面白かったのは、樹に人間の頭が付いているものでした。話もできるのだそうで、なんとなく不気味でしたが、これを描いた人は植物も人間も同じ仲間だと意識していたのでしょうか。
 実は、私は、植物と人間がどちらも同じDNAという物質をもとに発生し、祖先は共通だと知ったとき大きな衝撃を受けました。私にとって植物と人間はあまりに遠い存在だったのです。猫や犬なら十分納得できるし、昆虫でも、「一寸の虫にも五分の魂」と言うくらいだから、同じ仲間と意識できる。仏教でも、輪廻転生して畜生界に行くことがあると説いているので、動物が同じ仲間だというのに違和感はなかったが、植物界に行くとは説いていない(と思う)。あの巨大な楠と人間が同じ生物から進化してきたなんて!!少なくとも私の常識にはない考えでした。
 ところで、こんなことで衝撃を受けるのは、私だけなのでしょうか?今、私は、同じような衝撃を受けた人がいるのかどうかに興味があります。そういう方、ご一報を。
[鳥居信夫]

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