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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

バックナンバー

【バックナンバー 】

1999年1月15日

 昨年の7月に滋賀県の大津に引っ越しました。比叡山にのぼる道の途中で、家からは琵琶湖が見おろせるマンションです。駅からは少し遠く、しかも駅から家までかなりきつい坂を登ることになるので、どうしてそんな不便なところに移ったの、と人に言われたこともありました。でも、子供を育てるなら自然が豊かなところを、と思って選んだ場所でした。
 住み始めてすぐに気付いたのは、家から見える琵琶湖の色が毎日、いや同じ一日でも時間ごとに刻々と変化するということです。朝は東から、昼は南、夕方は西からと、考えてみれば当たり前のことですが、太陽の光が射す方向が変化するにつれて、湖面の青が濃くなったり、薄くなったり。季節によっても色が違い、快晴の日、曇りの日で、また色が違います。とにかく、見ているだけで面白い。といっても平日は、このBRHのコンクリートの建物の中にいるわけで、早く在宅勤務ができる世の中にならないかなあ、などと思ってしまったのでした。
 もう一つ予想しなかったのが、なんと、「猿が出る」ということ。比叡山にはたくさんの野生のニホンザルがいるのですが、寒くなって餌が少なくなると山を降りてくるようです。多いときには1週間に数回くらいの頻度で、しかも集団でやってくる。ベランダの端をつたって歩き回ったり、この前は廊下にも出没。明らかに親子とわかるサルもいます。子供のサルが、つい相手をしたくなるほど可愛いのも困ったものです。下手に餌でもやってしまうと、味をしめてもっと頻繁にやって来るのは間違いない。別段危害を加えることはないのですが、うちのように1才とか2才の小さな子供がいる場合には、やはり少し心配です。とにかくあまり相手をしないようににして、餌はないと思わせるしかないのですが、さて、どうなることやら。
 という訳で、うれしいことも、びっくりすることもある新生活。いったい今年はどんなことがあるのでしょうか。サルの撃退法を御存じの方がおられたら、教えてくれませんか。
[加藤和人]

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