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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

バックナンバー

【バックナンバー 】

1998年10月15日

 最近、高槻市に引っ越してきた。バタバタしていたが、ようやく落ちつきを取り戻し、ぶらぶら子供達と散歩していると、鉢植えにしたさまざまな植物を工夫をこらして立体的に配置し、きれいに飾った家が多いのに気づいた。植物達は、家の中からは見えない塀の外にまで飾られており、コンクリートの冷たさを緩和して通行人を落ちつかせてくれる。大変有り難い話である。
 聞いた話だと、今究極のガーデニングブームなのだそうだ。寒々とした事件が相次ぐ日本で、少しでも自然の暖かみに触れたいという深層心理の現れなのだろうか。ま、それはともかく、私もその影響を受けて何か植えてみようという気になった。近くのホームセンターに足を運んでみると、案の定、ガーデニングブームを反映してか、いろいろと売り出している。植物なんか鉢に土をいれ、そこに種を蒔くか苗を植えるだけと思っていたが、いろいろあって必要なものがよくわからない。考えてみたら、動物は何種類も飼ったことはあるが、植物を育てたことはほとんどなかった。これは私の偏見かもしれないが、一般的に男は植物に弱いのである。
 そこで、店員のお姉さんに、いろんな種類の土や砂(石ころみたいなものや、腐葉土など)はどのように使うのか聞いてみた。すると、根の負担を減らすために石ころを混ぜるのだとか、水はけをよくするためにはこれが必要だとか詳しく説明してくれた。なかなか大変だと悟った私は、「とにかく水さえやっておけばどんどん大きくなる雑草みたいな奴がいいのですが」と、すっかり弱気な発言をしてしまった。こうして、ヘデラというツタのような植物を植えることになった。
 不思議なもので、植えてみると、今日はどれだけ大きくなっただろうかと楽しみになる。だが残念なことに、植物はやはり、私の思うペースで大きくはなってくれないらしい。もっと成長のはやい植物はないものだろうか。
[鳥居信夫]

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