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ラボ日記

研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。

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断捨離?

2018年2月15日

秋山-小田康子

関西にやってきて、なんと20年が経とうとしています。関西弁らしきものを話せるようになり、家でたこ焼きを作れるようになり、ずいぶん関西ナイズしてきました。18, 19で東京に出てきた君らより関西生活が長くなったよ、って誰に言っているのかと思われるかも知れませんが、まあ分かる人には分かるので。20年間がんばったなーという気持ちと、もっといろいろできたのではないかという気持ちと半々です。さてさて、最近の状況はと言いますと、ここ何年かかけて取り組んできた研究がようやく論文にできるかもという段階までたどり着き、ラストスパートで実験に励んでいます。あとこんなデータが揃えばと思っても、染色がいまひとつでやり直したり、スライドグラスにのせようとした卵が消えてしまったり、なかなかの苦しさです。迷惑かけている?と気にしながら、共焦点顕微鏡を半ば独占状態で使わせてもらっています。(ごめんね、あと少しのはずだから。)データを取り終えた後も、伝えたいことを伝わる形にするにはまだ時間を要しそうです。データを取りつつ、今やっているのは、膨大な画像データから本当に必要なものだけを抜き出して提示する準備です。必要十分、必要最低限。論文にはほとんどの場合、字数や写真の枚数に制限があるのです。これはきれいに撮れたのにナ、これは徹夜でサンプリングしたのだけど、などと逡巡していても、隣の席から、論文は努力賞じゃないのだから、と一蹴する声が。断捨離と思って心を鬼にして、論文で伝えたいことにこれは必要かと問いかけながら、写真を選んでいます。今回はスマートに論文を仕上げたい、今年の大きな目標です。

選ばれた写真以外はお蔵入りか、としょんぼりしていたのですが、そんなことはありませんでした。小田ラボで作っているデータベースに画像データもアップしていく計画が進んでいます。こちらは枚数に制限はありませんので、少し先になりそうですが日の目を見る時が来るはずです。

[ ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ 秋山-小田康子 ]

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