ラボ日記

研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。 月二回、スタッフが交替で更新しています。

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国際交流(2)

2013年12月16日

秋山-小田康子

12月11日、イギリスのケンブリッジ大学の学生のJack GreenさんがBRHに立ち寄り、セミナーをしてくださいました。彼と会ったのは2度目。1度目は今年の2月にSpider Meetingでイギリスに行ったときです。Meetingの前にJackが所属するAkam Labを訪れてセミナーをし、セミナー後に彼が買ってくれたサンドイッチのお昼ご飯を食べながらおしゃべりをしたのが始まりです。Akam Labとの交流は長く、そもそもの始まりは11年前に私たちが初めてクモの論文を投稿したときからです。普通なら論文の審査は匿名で行われるのですが、Akamさんは面白かったよ!の言葉とともにサイン付きで審査の手紙を返してくれたのです。そしてAkamさん自身も5年前にBRHでセミナーをしてくださったことがあります。当時、大学院生だった金山さんの研究に非常に興味を持ってくださって、熱心に耳を傾けてくださいました。遠い国の人と直に交流ができることも研究の醍醐味かなと思います。

今回のJackのお話は、彼の学位取得につながった仕事でムカデの体節形成についてでした。遺伝子発現パターンの美しい写真がたくさんあり、昆虫との違いや似ている点を彷彿とさせるものでしたが、残念なのはこのムカデの卵は実験にむかないこと。細胞を取り出したり、DNAやRNAを注射したりということが今のところできないそうで、知りたいのに方法がない、frustrationなんだ、と。前日の夕飯時やセミナー後にもいろいろ話をして楽しい時間を過ごしました。こんな実験はできないの?などと尋ねると、日本人はチャレンジャーだな、との返事。食事でも、日本人はすべてのPhylaの生き物を食べるのかと驚いていました。まだ発表していないデータをお互い見せ合ったりして感じたのは、ショウジョウバエにはない、クモとムカデの共通点。特に初期の細胞の動きは、オオヒメグモよりもユウレイグモと似ているようで、共通祖先のことを知るにはオオヒメグモだけではダメかな、とあらためて考えさせられたりしました。Jackは間もなくシカゴ大学に移り、実験のできる昆虫の研究を開始するそうです。いろいろな実験にチャレンジして、またどこかで面白い結果を聞くことができたらと思っています。

[ ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ 秋山-小田康子 ]

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