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ラボ日記

研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【生物の研究ってどんなお仕事?】

楠見淳子
 はじめまして。4月から奨励研究員として蘇ラボに仲間入りした楠見と申します。仕事が始まってから一ヶ月、新しい環境で新しい研究テーマの仕事が始まり、これからどんな展開が待っているのかわくわくしています。

 唐突ですが、生物学者の職業イメージってどんなものでしょうか?私が生物の研究に携わるようになってからすでに10年になりますが、ここ数年、子どもが保育園や小学校に通うようになって、顔見知りになったママたちと話をするようになると、自分の職業について話す機会が増えてきました。いつも、化粧っ気もなくTシャツにジーンズ、スニーカー姿で送り迎えをしているので、「どんなお仕事?」と訝しがられていたのかもしれません。
 「生物の研究をしてます」と答えると、「へぇ〜」とか「ふーん」「何それ!」「実は頭がいいんだね」など感想は様々。でも一様に「生物の研究」とは何をしているのか具体的なイメージが湧きにくいようです。好奇心旺盛な方は「何の生物?どんな研究?」とさらに質問されるのですが、私の研究のテーマは日常生活とは一見関わりの無い、すぐには人様のお役に立つことでもないテーマなので(だからといってつまらない訳ではないと信じていますが)、実際、どう説明すれば相手に伝わるのか、困ってしまうことが多いのも事実です。説明下手なせいで、せっかく興味をもっていただいても、面白い話のひとつもできない…反省。
 こんな情況をおざなりにしてきた私ですが、BRHにやってきて、そうも言ってられなくなりました。ここでは「生物学の専門家も専門外の人も生物の研究から得られた知識や経験を共感し、共に考え、新しい発見をすること」を大きな目的にしています。これから実験室ツアーやサマースクールなどで、いろんな人と生物の研究についてお話する機会がこれまで以上に増えることになります。研究の仕事がどういうものか? どんなおもしろい発見があるのか? 日頃の研究で感じている感動や驚きを少しでも伝えられればと思っています。また、交流を通じてどんな新しい発見があるのか、楽しみです。



[DNAから共進化を探るラボ 楠見淳子]

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