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ラボ日記

研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【プログラミングを始めました】

小田広樹
 この1、2年独学でコンピュータプログラミングを勉強している。作ったプログラムのほとんどは一度では動かない。いろいろ命令文を書き換えて試行錯誤しているうちにやっと求めていた作業をしてくれるようになるものだ。
 プログラミングをしている自分はコンピュータと格闘している感じだ。時間が取れないので夜中にプログラミングをすることになるが、思うようにいかないとやめるにやめられない。負けず嫌いの性格が災いして健康を害している。その分、うまく動いたときの爽快さは格別である。
 もちろんプログラミングは研究のためにやっている。私たちはオオヒメグモというクモを使って研究をしていて、最近は大量のDNA配列情報を扱わなければならない必要性に迫られている。いわゆるバイオインフォマティクスである。今までは各配列ごとにひとつひとつ手作業でやっていたがそれではらちがあかない。ショウジョウバエやマウスなどのモデル生物を実験材料に使っていれば自分がやらなくても本当のプロが情報の収集と整理をやってくれるであろう。しかし、私たち以外誰も使っていないクモではなかなかそういうわけにはいかない。たとえ不便があっても、何事も自分でやってみるというのは楽しい。その過程の中で意外な発見をしたり、独創性が芽生えたりすると私は信じている。いつか勉強の成果がBRHのホームページに反映させられる日が来ればいいなあと思っている。
 プログラムというものは、ほぼ完璧に近いところまで仕上がっていたとしてもどこか一カ所でも致命的な間違いがあれば全く動かない。その一カ所に気付くか気付かないかが大きな分かれ目である。プログラミングに限らず研究には似たようなことが多々あるように思う。




[ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ 小田広樹]

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