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ラボ日記

研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。

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バックナンバー 【モンシロチョウ】

 モンシロチョウはおそらく、日本では一番よく目にするチョウではないでしょうか。冬場はサナギで過ごすため、飛んでいる姿を見ることはできませんが、早春から晩秋までは私たちに身近な場所を飛んでいます。毎年モンシロチョウが飛びはじめそうな時期になると、私は自宅や勤務先の近くを歩くときに注意を払って探しています。今年は3月の中ごろに初めて見かけました。前回のラボ日記(4月15日)によれば、暖かさのせいでアゲハチョウの出現はずいぶん早かったようですが、モンシロチョウも例年より1週間以上は早かったと思います。

 私はチョウのハネの形やパターンに関する研究のいくつかを、モンシロチョウを使って行ってきました。ほとんど白地に黒が混じっただけの、さしてきれいなチョウではありませんが、私はこのチョウのおかげで生き物の巧妙さ、素晴らしさをいくつも知ることができました。以前にご紹介した「ハネの周りの感覚器」もその1つです。いろんなことを教えてもらったのだから、「研究対象」というより「先生」と言ったほうがよいかもしれません。そして、まだ教えてもらうことは山ほどあると思っています。
 日本でもモンシロチョウを使って研究している人が何人かおられますし、これからもいろんな「謎」が解き明かされていくことでしょう。近いうちにまた、新しいことをモンシロチョウから教えてもらいたいものです。



[チョウのハネの形づくりラボ 研究員 吉田昭広]

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