ちょっと一言

館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。

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14歳に教えられる

2017年9月1日

新聞(東京新聞)に14歳の女子中学生の「思い合いの「和」目指す」という投稿がありました。今年の私たちのテーマが「和」なのでこの文字には敏感に反応してしまいます。

少し引用します。「「和をもっとうとしとなす」。聖徳太子が制定したとされる日本で最初の憲法「十七条憲法」の第一条はこう始まる。国民一人一人が争いなく幸せに暮らす。それは素晴らしい世界だろう。古代の人々は富でも権力でもなく、お互いが思い合う「和」の実現を目指した。「和」を大切にする文化は、今の日本にも残っている。このような考え方は未来にも引き継いでいくべきだ。」

なんともみごとです。更にこうも書いています。「空気を読むことは「和」を重んじることにはならない。孤立することが怖いから、和を乱してはいけないからと沈黙しては何も変わらない。「和」を大切にすることは、決して自分の意見を抑え込むことではない。自分にとって、相手にとって最も良い方法は何かを考え、議論しながらより良い結論を導くことが「和」だ」。ますますみごとです。

大人はちゃんとこういうことを考えているでしょうか。大人の方が知識も知恵もたくさんあり、導く立場にあるような気になっていますが、忖度などという都合のよい言葉でごまかして、本当に大事なことを見ないようにしている大人は、子どもに学ぶ必要があります。

「富でも権力でもなく」と言う中学生の言葉に耳を傾けて、自分の眼で見て自分の頭で考えることを思い出さなければいけません。とくに世界のあちこちのリーダーたちに聞いて欲しいものです。

14歳がこのまますてきな大人になってくれることを願っています。

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