ちょっと一言

館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。

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マンダラを生かして新しい美しさを

2016年12月1日

舞台上にそれぞれの楽器を持って思い思いの位置に立つ人の集まりから、自然に、本当に自然に音が響き出してくるその瞬間がとても魅力的でした。誰がリードするのでもなく、まさにアンサンブルです。

チャイコフスキーの「弦楽のためのセレナーデ」もヴィヴァルディの「四季」も室内楽の定番中の定番で、何度も聴いた曲ですが、それだけに音がより新鮮に響いてきました。指導者の森悠子さんは斉藤秀雄先生に後継者と期待され、ヨーロッパで音楽の演奏と教育を実践する中で、地域に根ざした音楽の場を実感なさった方です。縁あってそれを長岡京で現実にする機会を手になさり、若い人たちを育てていらっしゃいました。それから20年でこれほどみごとな響きを創り出されたことに心からの拍手を送ります。自分の中から湧き出す思いを素直に形にしていくことができにくい社会になっていることを感じていますので、このような活動に接すると、本当に気持がよく、とても嬉しくなります。素晴らしい!

実は、森さんはこのアンサンブルにマンダラをイメージしていらっしゃるとのこと。生命誌マンダラに関心を持って、研究館へいらして下さいました。私も今回の公演にマンダラを感じました。これからのお話し合いによって、現代にマンダラを生かす表現につなげていくことができそうで楽しみです。

芸術も科学も内から湧いてくるものを美しく表現することで、日々を豊かにする役割があります。長岡京と高槻。お近くにすてきなお仲間がいて下さることに感謝し、来年はこれまでにない新しいものを生み出せそうな気がして、今から楽しみです。

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