ちょっと一言

館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。

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大事なのは生活する一人一人

2015年7月1日

日々の暮らしが急に変るわけではありません。昨日の日曜日もいつものように庭仕事でした。まず草取り。この時期は、驚くほどの草の伸びようです。雨はありがたいのですが、すべての植物に公平です。ナデシコがカタバミに埋もれてしまっています。こちらは公平というわけにはいきません。勝手な価値観で抜くものは抜いていきます。仕事はいくらでもあります。梅の実をとり、シロップとジャムにしました(梅酒は昨年のがあるので)。夏みかんはマーマレードに。テーブルとイスのペンキ塗りも毎年この時期の作業です。ちょっと疲れますが、楽しくもある日常です。

でもそれをしながら頭の中では悩んでいました。憲法学者のほとんどが憲法違反だと言っているのにそんなことに耳を貸す必要はない、社会を動かすのは政治家だと言われたら学問の意味はどこにあるのだろうと思います。学者が社会に役立つというのは、権力者の思うままに動くことであり、よく考え大事だと思うことを言ったりしたりすることではないというのですから。普段からそんな感じはしていましたが、ここまではっきり言われると考えこみます。

日々の暮らしは急には変らない・・・すぐに眼の前に爆弾が落ちることはないでしょう。でも、憲法の軽視、人を大切にしない雇用、福祉予算の削減とどう見ても生活者一人一人を大切にする社会とは反対の方向へ向いています。人間が生きものであることを基本に、地球に暮らす人一人一人が納得のいく一生を送れるようにと願う生命誌からの発信を続けよう。最後はいつも同じところに落ち着きます。

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