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中村桂子のちょっと一言

館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。

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苦いものが苦手

2015年3月2日

新幹線のニュースに「紅茶を飲んでいると骨粗しょう症になりにくい。破骨細胞の形成を抑える成分があるから」という阪大での研究成果が出てきました。マウスでの実験結果だそうです。私は、「お飲み物はコーヒーですか、紅茶ですか」と聞かれたら、99.9%紅茶と答えます。紅茶の香りが好きだからということもありますが、実は苦いものが苦手なのです。ビールは、アルコールがダメなので口にしないのですが、でも苦味も好きでない。ですからノンアルコールのビールもダメとなります。白状すると辛いのもダメです。アジアの食べものは食材も料理法も豊かでおいしいのですが、あまりにも辛いといただけません。幸い日本には、辛味を抑えたバージョンがあるのがありがたいことです。次いでに言うなら、酸味もあまりきついのは嬉しくありません。苦味、辛味、酸味のいずれもきついのは。もちろん春先には一度はふきのとうを楽しみますし、お寿司は好きですし・・・でも味に関しては成長不足のようです(他にもそういうところはたくさんあるので、「味も」かもしれません)。年齢を重ねると味覚が子どもの頃に戻ると言いますが、早々そうなっているようです。一方とても敏感なのは旨味。これは日本発の味覚と言われますが、いわゆる"だし"ですね。よい"だし"は嬉しいです。紅茶が骨によいかどうか。これからの検証でしょうが、何より自分なりの味を楽しむことが先決です。それが健康につながるならありがたいことですし。

P.S. 福音館書店の月刊「たくさんのふしぎ」4月号「いのちのひろがり」ができました。私の文。絵は自然を描く絵本の世界の第一人者松岡達英さんが描いて下さいました。しかも付録はBRHカードで大活躍の坂さんによる「大陸移動マトリョーシカ」。初めての絵本でドキドキしています。「たくさんのふしぎ」は小学校三年生が対象です。でも大人もどうぞ。

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