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中村桂子のちょっと一言

館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。

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絵巻のポスターいかがでしょう

2014年10月15日

東大教養学部の石原あえかさんから嬉しいメールが来ました。石原さんは気鋭のゲーテ研究者であり、著書「科学する詩人ゲーテ」(サントリー学芸賞受賞)でもわかるように、"科学"を意識してゲーテを見ているところに特徴があります。2012年、「変わる」のトーク「芸術と科学の蜜月を再び」で興味深いお話をして下さっています。その時、ゲーテの頃はまさに科学と文学が蜜月の時代で、女性雑誌に文化的な話題と同時に天文学の最新研究成果が平易に説明されていたり、数学の証明が懸賞問題になっていたりしたと教えられ、びっくりしたのを思い出します。ジャーナルのページに入って読んで下さい。面白いですよ。

さて、石原さんからのメールは、9月にドイツで行なった2回の講演で、ゲーテの世界観を示す図と共に「生命誌絵巻」を使って下さったという報告です。一つは、デュッセルドルフ・ゲーテ博物館でゲーテ研究者・愛好家を対象にしたもの。もう一つは、ボンにある日本学術振興会研究連絡センターで、自然科学系の研究者、学術団体関係者、外交官などが参加した会だったとのこと。そして、そのいずれでも絵巻への関心がとても高かったというのです。絵巻は、これまでも海外の研究者たちに評価され、教育に使われるなどしてきましたが、それがゲーテ研究者にまで広がったのはとてもとても嬉しいことです。「芸術と科学の蜜月再び」を考えようという気持が強まりました。さまざまな分野のお仲間がいて下さることのありがたさです。

石原さんに、ドイツに送りたいので絵巻のポスターありませんかと聞かれ、絵ハガキをお送りしましたが、ポスターいいかもしれません(在庫がふえると困るのですが)。皆さまの御意見をお聞かせ下さい。

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