中村桂子のちょっと一言
館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。
番外編

2002.6.15 

【森を創る 森を語る】
 
中村桂子館長
 稲本正さん主催のオークヴィレッジは「森」をキーワードにした活動をしています。自然としての森が素晴らしい存在であるためには、それを生かす人間の生活が必要です。オークヴィレッジでは、木を生かして本物の家具を作ることが人間と森をつなぐことだという考え方で、みごとな家具づくりを始めました。100年の樹から作ったものは100年使えると言われます。本当はもっと長いかもしれない。今では家具だけでなく家をまるごと、更には玩具や文具、時計など身近なものまで作っています。つまり木と共にある暮らしを設計するグループになっているのです。そして一方で、ドングリを植えた森づくりもと・・・その活動は多彩ですが、根っこは自然の一つである人間として生きようということだと思います。
 こう書いてくるとお気づきでしょう。生命誌と重なっており、進んでいる方向が同じなのです。稲本さんは、「森の惑星プロジェクト」を立ち上げ、世界中の森を歩き、そこから得たたくさんの知恵を生かす活動をしています。その一つとして企画されたトークショウの一部をまとめた本がこの度出版されました。「森を創る 森を語る」(稲本正編、岩波書店、1800円)です。参加しているのはC. W. ニコル、筑紫哲也、今泉光彦、永六輔、中村桂子。私も仲間です。稲本さんの発案でこの本の印税(10%)が世界5カ所の森づくりの資金に使われることになりました。選ばれた5つの森* は、稲本さんが世界を歩き、森の惑星の宝と感じた所です。もちろんここだけではなくどの森も大切ですが、やはり鍵となるところはきちんと押さえる必要があります。
(* カメルーンのコーラップの森、マレーシアのランビルの森、エクアドルのマングローブ、ブラジルアマパ州、マダガスカル)
 「森を創る 森を語る」は、21世紀の生き方を表現する言葉ではないでしょうか。私もこの活動に参加させていただいたのでPRの一助にと、番外編を書きました。

【中村桂子】


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