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中村桂子のちょっと一言

館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。

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【生命誌の花園】

2001.8.1 

 先回の(とややもったいぶって)生命誌の新しい展開の紹介です。今回、展開役をして下さったのは照明デザイナーの石井幹子さん(因みに彼女は高校の後輩です)。
 鳥取県米子市から10キロほどの西伯郡会見町に「とっとり花回廊」があるのは御存知ですか。県立フラワーパークで(残念ながら私はまだ行ったことはないのですがパンフレットによると)全国でも有数のもののようです。昼間は花を愛で、緑陰を楽しみながらの散策の場として人気を呼んでいますが、夏は夜も涼風を楽しんでもらおうという県の考えで、石井さんにライトアップの依頼があったところから話は始まります。そこは石井さん。単に花を照らし出してもあまり面白くない。むしろ光で何か新しいことを伝達できないだろうかと考え、以前から関心を持って下さっていた「生命誌」−つまり生命誕生とその歴史−を表現してみたいと考え、「生命誌絵巻」を光で表現して下さったのです。

パンフレット


 中央の噴水は霧のようになって生命誕生を表し、アメーバの光、原生動物の光を通って、カブトムシ、ワニ、カメ、ウサギ、リス、ラクダなどが輝きます。もちろん恐竜も登場。これは他と比べてひときわ大きく、近づくとパッと点灯するようになっています。その他の時は暗いまま、滅びの世界にいてもらおうということでしょう。ところが点灯式の日は子供たちが周囲に大勢集まって恐竜の明かりがつきっ放しだったとか。滅びちゃいられなかったようです。入口には「生命誌絵巻」の看板が立ち、コンセプトの説明もあります。
 名前はムーンライトファンタジー「生命誌の花園」。夏の間の限られた期間だけですが、鳥取へお越しの際はお立ち寄り下さい(もちろん、高槻の方へもどうぞお越し下さい。夏休みの一時、涼しくゆったりした館内で、生命誌をお楽しみいただくと、生き方が少し変わってくると思うのですけれど)。


「生命誌の花園」の日中の様子です。


夜、ムーンライトファンタジーが点灯しました。

動物のトピアリー


恐竜のトピアリー

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