1. トップ
  2. 語り合う
  3. 【脳の生命誌−(2)−】

中村桂子のちょっと一言

館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。

バックナンバー

【脳の生命誌−(2)−】

2001.6.15 

 何がわかれば脳がわかったことになるのかがわからない。先回、こんなことを書きました。それに対する答がすぐに出せるわけもありませんが、いよいよ始まった「脳の生命誌」で実際にさまざまな生き物の「脳」が一堂に会したところを見るとやはりさまざまなものを比較することは、とても興味深いことがわかりました。
 ザリガニ、ゴキブリ、コオロギ、ミミズ、クモ…小さな小さな脳です。次いでタコ、イカが登場するとなかなか立派に見えます。ゾウやクジラの脳になればもちろんとても大きいのですが、多くの来館者の感想は「以外に小さいんですね」です。あの大きな体を動かすにはもっと大きな脳がいるんじゃないか…そう思われるのでしょう。ゴキブリはゴキブリの体の大きさに見合う脳を持っており、それはゾウに比べたら比較にならないほど小さいのはあたりまえです。では、はたらきを比べたらどうなのだろうと考えると答は簡単ではないでしょう。体の大きさと脳の大きさの比の値はどんな意味をもつのだろう、その生物の暮らしとの関係まで考えたらどうなるのだろう。大きさという見てすぐにわかることからだけでもいろいろ疑問がわきます。是非、是非、来館なさってあれこれ考えてみて下さい。

中村桂子の「ちょっと一言」最新号へ