生命誌の広場

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中村桂子のちょっと一言

生きものの「こころ」を考える

投稿日:2018.11.09 ニックネーム:ミッキー

箇条書きのレベルですが、御一読いただければ幸いです。

1. 研究館のレクチャーで、ミツバチの小さな脳を見せてもらって驚きました。ヒトの脳と同じように左脳と右脳があり、しかも左右の脳で神経の連絡(未交差?)もあるそうです。ミツバチは8の字ダンスによる高度な情報伝達能力や学習記憶能力、高い社会性を持ちますが、ヒトの脳と相似性のある構造であることを知ると、ミツバチはヒトの「こころ」の原始的なものを持っているのではないかと感じます。この左脳右脳の構造がどれだけ多くの種で保存されているのか知りたいところです。何れにしても、脊索やそれ以前からヒトの脳に至る進化を基軸にした生きものの「こころ」の共通性と多様性を考えることは興味深いことです。

2. 昆虫などの小さな生きものは、脳が小さいのに対して触覚やヒゲなどの優れた感覚器を持っています。例えば、チョウの食草を見分ける味覚器、トンボは視覚依存で、アリは嗅覚依存だそうです。ということは、視聴触味嗅の五感を基にしてヒトの大脳が創る「こころ」の世界に対して、感覚器優位の生きものが持つ「こころ」の世界は、ヒトにとっては異次元の世界だと思います。昆虫だけでなく、例えば、イヌは優れた嗅覚でどんな世界を見ているのでしょうか。さらに、最初に感覚機能を持った生物は単細胞生物ではないかと思います。外界を感知して、外界と自分を区別することが“個の確立”になったのでは?

3. 生きものの世界を見渡して感じることは、生きものは普遍的に“共存共生のこころ”を持っていると思うことです。それは、たとえ食物連鎖のどの位置にいようともです。“共生”の例は自然界には枚挙にいとまがないと思います。さらに、30億年以上遡って眺めると・・・酸素をエネルー源とする単細胞生物が、他の単細胞生物に食べられてその中でミトコンドリアとなって共生して動物細胞になったこと。さらに、そこに光をエネルギー源とする単細胞生物が加わり葉緑体として共生するようになり植物細胞になったと考えられているそうです。“共存共生のこころ”は単細胞のときから始まっていると思います。加えて、ヒトの体は大腸菌や単細胞生物由来の多種の細胞の共生体だと気がつきます。

4. ヒラヒラとランタナの花の周りを飛び回るチョウはいかにも楽しげです。彼らは生きることが本当に“楽しい”のだなと感じます。

●ジルさんについて
中村館長のグリア細胞に関するご講演の冒頭でジル・テイラーさんの名前が出てきて驚きました。数年前のNHKのTEDという番組で彼女のプレゼンを見て感動していたからです。脳科学者の彼女が左脳に脳卒中を起こした時、彼女の右脳がもたらせた不思議な世界についての体験談でした。彼女は最後に「いつでも好きな時に右脳の世界に入れたらいいのに」とおっしゃっていました。うまく説明できないのですが、私は彼女の右脳の世界は前出のチョウの「こころ」に通じるものがあると感じています。

お返事

投稿日:2018.11.09 名前:中村桂子館長

ありがとうございます。意識、精神などというと難しいですが「こころ」は恐らく、小さな生きもののところから始まっているのかなと思います。これから考えなければなりません。

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