館長中村桂子からのご挨拶:2014年
ごあいさつ:2014年
「ようこそBRHへ・・・大人としての活動へ」
 20年間のまとめをしましたら、浮かび上がったのはやはり「人」でした。周囲にすばらしい方がたくさんいて下さるのはありがたいことです。そこから学び次の段階へ進みたいと思います。その一つ、20周年にいただいた応援メッセージを見ます。生物学仲間のものはもちろん、とても大事ですが、ここでは少し外側に眼を向けます。
 毎年来館して下さる高村薫さん「私のような素人が一つ一つの研究に心底どきどきし、小さな一歩に興奮し、毎年積み重ねられてゆく表現に感服する、まったく奇跡のような研究施設だと思います」。風と水の彫刻家新宮晋さん「生命誌研究館から発信されるニュースや活動は、私が自分の生まれたこの星について本当は何も知らないことを教えてくれます。いつも私を地球に到着したばかりの宇宙人になったような気持にしてくれます」。すてきなお二人からの嬉しい言葉に緊張します。松岡正剛さんの「編集的生命観」、「一途で多様」は、ズバリそうありたいと思っていることの指摘です。中沢新一さんは「女性性と日本人性とのたぐいまれな結合」があり、「結びつけ編み上げる技に巧み」との評です。女性・日本人は、言うまいと努めながら底の底ではこれしかないと思っていることです。演出家の遠藤啄郎さん、「私達のめざす『語る演劇』それは近代劇への反省から始まったものです。『語る科学』それは私達にとっても力強い味方です」は逆に『語る演劇』が私たちの味方です。音楽、演劇、建築、宗教などさまざまな分野からの応援は書き切れませんが、すべての言葉を噛みしめています。
 生物の歴史の中で、現存生物の基本が出揃った5億年ほど前のカンブリア大爆発。その時生まれたさまざまな形の生きものを生み出す遺伝子は、それより数億年前に準備されていました。飛躍のためには、その準備をていねいにしておく必要があります。結局一歩一歩進むというのが答でしょうか。
 今年も、生きものと向き合い、その物語に耳を傾け、生命・人間・自然・科学・科学技術・・・現代文明について考え、生き方を探す旅を続けます。メンバー一人一人が自分の仕事をよりよいものにすると同時に、社会の一員としての責任を果たす組織として、新しい何かを求めていきます。
(2014年5月1日 JT生命誌研究館館長 中村桂子)
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