館長中村桂子からのご挨拶:2009年
ごあいさつ:2009年
「ようこそBRHへ」
 「生命誌研究館」の出発の時に描いた「生命誌絵巻」。ホームページの表紙にもなっています。地球上の生きものはすべて、38億年ほど前に誕生した細胞を祖先とし、多様化してきた仲間であることを示すもので、ここに、さまざまなメッセージをこめています。その中の一つ、しかも最も大事なことは「この絵の中に私たち人間がいる」ということです。あまりにもあたりまえですが、最近の社会を見ているとこれをもう一度よく考える必要があると思うのです。世界規模での不況が起き(経済は人間がつくり出したシステムなのに自然に不況が起きたような言い方は変だなと思いますが)、それへの対処として経営者が解雇という対応策をとりました。従来企業は仲間社会とされてきましたが、そうではなく、経営者は働いている人々を外から見ているような判断をしたのです。現代社会では、論理を重視し(それは科学的と言われます)、外からの視点をよしとします。それは生きものたちにも向けられます。人間は他の生きものたちの作るシステムの外にいる視線で動いているのではないでしょうか。名古屋で開催されるCOP10のテーマが「生物多様性」ということもあってこの言葉があちこちで聞かれますが、その時も人間は外から「多様性」を考えてやるのだという姿勢が見えます。「中にいる」。生命誌はこの感覚を大事にします。生きものの中にいる、すべての人の中にいる、日本の中にいる、研究者の中にいる、館の中にいる・・・中にいる存在として考えていきます。どうぞ中にいるつもりで、ホームページに書き込んで下さい。高槻へいらして下さい。

(2009年5月15日 JT生命誌研究館館長 中村桂子)
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